TYOでの働き方は? 入社してよかったと思うことは? 今までいちばん印象に残っている仕事は──? TYOで働くことのリアルについて、職種も年代も多種多様な5名の社員に語ってもらいました。
Profile
木村 一貴 2011年、新卒入社。「PRO2」のプロデューサー。
佐藤 さくら 2012年、新卒入社。「MONSTER」のプロデューサー。
鷲山 大輔 2015年、新卒入社。「TYO drive」のチーフプロダクションマネージャー。
櫻井 美希 2019年、新卒入社。「WHOAREYOU」のディレクター。
青山 裕樹 2020年、新卒入社。「Third」のプロジェクトマネージャー。
── 今日はよろしくお願いします! まずはじめに、「TYOでの働き方」について教えてください。木村さんが2011年入社で、青山さんは2020年入社。9年も差があると、働く環境もずいぶんと変わっていそうですよね。
木村 僕が入社したのは2011年だから、働き方改革っていう言葉もまだ浸透していなくて、とにかくかなりハードでしたね。当時は埼玉の実家に住んでいたこともあって、帰れなくて会社に寝泊りするなんて日常茶飯事で。
佐藤 私、木村さんとはじめて出会ったときのことを覚えています。たしか入社前に開かれたお花見で、場所取りしてくれてましたよね。
木村 ああ、そうそう。会社でお花見隊長に任命されて、前日の夜から公園に泊まり込んで場所取りしてた(笑)。
青山 わあ……。
木村 でも、とにかくTYOは「人」がいいから。仕事内容とか働き方に関しては大変で辛いこともあるけど、そのたびに人に救われて今まで続いていますね。
佐藤 私も木村さんと同じくゴリゴリな時期に入社しているので、働く環境についてはここで言えるようなことは何もないです(笑)。でも働くにあたって、社内の人間関係でストレスを感じたことは一切ないので、それはすごくいいなって今も思っています。毎日自分が働く会社って、人生においてとても重要な場所。だから、中に対するストレスがなく仕事に集中できる環境はありがたいですね。
櫻井 それは私も思います。風通しがすごくいい会社ですよね。入社したてのとき、プロデューサーや執行役員の方が同じ執務室にいて「偉い人だから怖いんだろうな……」と思っていたら全然そんなことはなくフランクに話してくれたことを覚えています。
鷲山 しかも、いろんなタイプの人間がいるから対応力がつきますよね。
佐藤 青山はどう? この中だと一番若手だけど。
青山 僕は入社がちょうどコロナの時期だったので、みなさんとは違う意味の大変さがあったかもしれないです。研修も全部オンラインで、同期も1年経ってはじめて会うみたいな人もいっぱいいて。「会社」っていう感覚を最初は持ちづらかったですね。
佐藤 それはそれで大変だねえ。
青山 でも、みなさんのおっしゃるとおり、人のよさは今すごく感じています。この人と仕事したいなって思う人もいっぱいいて。働き方に関しては、たまに制作期間で徹夜する日とかがあってひいひい言ってるくらいなので、木村さん世代の方からしたら甘いのかもしれないです。
木村 いやいや。いつになっても徹夜はしんどいよ(笑)。
── 次に、入社してよかったことや、ご自身が成長したなあと思うことについて教えてください。
佐藤 入社してよかったこと、なんだろう。……ローンを組めたこと!(笑)
一同 (笑)。
佐藤 冗談です。でも、いつのまにか大きな会社になったので、そういう社会的な安心感はちゃんとありますね。
木村 大事だよね〜。
青山 僕は、普通の会社じゃ考えられないことが日々起きて、毎日刺激的に過ごせるところがいいなと思っています。たとえば仕事中にゲームをしてる人がいたり(笑)。ちゃんと「ゲーム画面のキャプチャを撮る」っていう仕事なんですけど、それも仕事になっちゃうんだ! みたいな。
鷲山 そういう人、ゴロゴロいるよね。僕は、この会社に入ってすごく忍耐力がついたなと思います。大変なこともある分、「並大抵の人間にはぜってー負けねえ」っていう自信がつきました(笑)。
佐藤 忍耐力は、この会社にいると間違いなく身につくよね。奇想天外なハプニングがいろいろ起きるから。
鷲山 社会人の大変さをすべて凝縮したような経験を、この会社にいる人はきっとみんなしていますよね。特にプロダクションマネージャーは肉体的にも精神的にも本当に鍛えられる。
── 櫻井さんはどうですか? この中では唯一、ディレクターとして働かれていますが。
櫻井 私は、佐藤渉さんっていう最高の上司に出会えたことが入社してよかったなと思うことですね。私は昔からおもしろい映像が好きなんですが、佐藤渉さんの作るCMが本当に大好きなんです。しかも、めちゃめちゃ後輩思いで上司としても素敵な人なんですよ。
鷲山 いい話だなあ。みなさん、櫻井みたいに「憧れていた人と会えた・仕事ができた」みたいな経験ってありますか? タレントももちろんだけど、カメラマンとかディレクターとか、社会人になる前から知っている人に出会える機会がこの会社は多いですよね。
佐藤 あるある! 昔から好きだった海外の映像監督(ディレクター)に出張先の現場で会えたことがあって、ポスターにサインもらったこともあるよ。
櫻井 憧れの人に会えたり、一緒に仕事できたりするのは、この会社の醍醐味のひとつですよね。
── PM(プロダクションマネージャー)は、入社して誰もが一度は経験するポジションだと思います。みなさんの、PM時代の印象深いエピソードについて教えてください。
青山 僕が2年目のとき、アシスタントを卒業してメインPMを任せてもらってすぐの作品で、朝から夕方まで計4箇所を回るかなりバタバタした香盤(スケジュール)の撮影があったんです。一本目のカットを撮っているときに監督が、「オッケー、いいね」ってつぶやいたのを撮影完了の「オッケー」だと勘違いして、「オッケーいただきました!」って各スタッフに伝えちゃったんですよね。そしたら、「まだオッケーじゃねえよ!」って、すっごい怒られたことを覚えています。
佐藤 勝手にオッケー出しちゃったんだ(笑)。
木村 PMやってると、印象深いことだらけだよね。僕は2年目のとき、全社的に見てもかなり大きめのミスをしちゃったことがあったんですよ。外出先で社長から電話かかってきて、「すぐ帰ってこい」って言われるようなレベルの。本当に焦って夜にずっと対応に追われていたら、当時一緒の部署だった先輩が、机に励ましの言葉を書いたメモを置いてくれていて。あれは本当にうるっときましたね。マジでもう会社にいられないって思ってたから……。あの先輩のやさしさは忘れられないなあ。
櫻井 わあ……。私も木村さんの話に近いんですけど、私が1年目で、まだディレクターではなくPMをしていたときに、ロケハンの前日にロケ地に連絡していないと判明したことがあって。
木村 あー、それ覚えてるよ(笑)。
櫻井 監督の第一希望の場所の撮影許可が取れていなくって、それをロケハンの前日に気づいちゃって、「どうしよう、怒られる」ってかなり焦って。結局はちゃんと伝えたんですけど、その日は1日落ち込んでたんですよ。会社に戻ってからもしょんぼり仕事していたら、急に当時のメンターの方から、「ちょっときてください」って部屋に呼び出されたんです。やばい、詰められる!と思って恐る恐る行ったら、チームの人たちが円になってパーティーみたいなのをしてて、その輪に入れてくれて「大丈夫だよ!」ってみんなで励ましてくれました。
木村 櫻井、ちょっと泣いてたもんね(笑)。
櫻井 泣きましたね(笑)。
佐藤 PM時代はみんな絶対にたくさん失敗するけど、人に救われて一番成長する時期でもあるよね……。
── この記事を見てくれている方は、TYOに興味を持ってくれている方々だと思います。みなさんが新入社員に期待することや、一緒に働きたいと思う人の特徴について教えてください。
木村 僕はもう、一個だけですね。責任感。与えられた仕事に対する責任感さえ持ってくれていれば、そのほかのことは割と気にしません。逆に、責任感がない人は大っ嫌いです。
佐藤 それはありますね。この仕事を紹介するときに、よく「毎日が学園祭みたい」みたいなフレーズが使われます。たしかに作品づくりに対して一生懸命奔走するので、それが学園祭みたいっていうたとえは合っているんですけど……。でも、それぞれのプロと一緒に、プロとして仕事しているので、学生さんのノリで来られたら困りますよね。
木村 自分のやった仕事が、どのように作品に影響を及ぼすのかについてイメージしながら一つひとつの仕事をしてほしいですね。嫌なことはあるかもしれないけど、それで逃げ出すとか投げ出すとか、露骨に態度に出すとかは絶対にダメ。
鷲山 僕も、責任感を持っている人と一緒に働きたいと思います。あとは、「人を喜ばせようとする態度」を持っていてほしいかな。サービス力というか。制作(プロダクションマネージャー)のその力があるかないかで撮影チームの雰囲気が変わり、完成する作品にも影響を与えたりするので。
佐藤 たしかに、この仕事はサービス業みたいなところがあるよね。いかに他人を喜ばせるか、みたいな。PMの現場のお弁当発注ひとつにしても、「めんどくさい」って思うかもしれないけど、あのお弁当ひとつでいかに現場のモチベーションがあがるか……。そういうサービス精神が旺盛な人だとよりいいですね。
青山 僕は、何をするにしても、ちゃんと自分ごと化してくれる人だと一緒に仕事していてすごく助かるなと思います。自分が働くときも、「この仕事はなんのためにあるんだろう?」って、常に自分の立ち位置を考えるようにしていますね。
櫻井 みなさんの話を聞いて、めちゃめちゃ納得しました。私はディレクターですが、制作の方の能力やサービスによって、仕事の進行が楽しくもなるしつまんなくもなるし、作品が実際に変わってくることを日々感じているので。「制作なんて監督の手伝いでしょ」という意識じゃなくて、制作がメイン、むしろ一番トップくらいの気持ちでやれる人がいると、監督もやりやすいなと思いますね。
木村 本当にそうだよね。
櫻井 ディレクターとして一緒に働きたい人は、好きなものが軸にあって、この仕事を楽しめる人だったら誰でもいいかなとは思います。でもひとつだけ、ある程度の社会性はあった方がいいです。最低限の社会性がないと、いくら監督といえどやっていけないことは判明しました(笑)。
一同 (笑)。
佐藤 監督は、個性的でトリッキーであればいいって思われがちだけど、最低限の社会性は必要だよね。
櫻井 そうですね。あいさつとか時間を守るとか、最低限のことは大事。それができないと、広告のディレクターには絶対に向いていないと思います。
── 最後に、TYOの作品の中でみなさんが一番好きな作品を教えていただけますか?
佐藤 私は、めちゃくちゃ王道だけどやっぱりJR東海『クリスマス・エクスプレス』かな。自分の生きている今の時代には作れないCMだなと思う。
木村 今見てもいいなあって思うよね。僕は自分で担当したもので恐縮だけど、木村拓哉さんに出演していただいた、日産自動車の『やっちゃえNISSAN 幕開け篇』かな。コピーも素晴らしいし、それがちゃんと伝わる映像になっていて大好きです。
櫻井 私は日清カップヌードル『スーパー合体シリーズ』っていう作品です。佐藤渉さんの演出作品なんですが、なぜか私、それにキャストで出ていて(笑)。作品自体もおもしろいんですけど、はじめてキャストとしてガッツリ出演したので、いろんな思い出がある作品です。
佐藤 櫻井、あの戦隊モノの衣装めっちゃハマってたよね!(笑)
一同 (笑)。
鷲山 僕は、作り手の熱量が視聴者にもそのまま伝わるようなものが好きです。特に、「キリン のどごし<生>」の、『のどごし 夢のドリーム』っていう企画。一般の方から公募して、その人の夢を叶えるっていうシリーズなんですけど、あれをやり切ったのはすごいなあって思います。あとはやっぱり、THE FIRST TAKEはかっこいいなと思いますね。
青山 僕は実は普段テレビをほとんど見ないので、CMに疎くて……。基本的にネットしか見ないので、あんまり作品に詳しくないんですよね。
木村 映像制作会社なのに(笑)。
佐藤 でも極論、うちの会社はそれでもやっていけるよね。映像のことが好きすぎると、「こういうの作りたい!」といった想いが強すぎちゃうから。ほどよく好きな人の方が続けて働いていけると思う。
── なるほど……。これまでの経験も、好きな作品も多種多様。いろんなお話が聞けておもしろかったです。今日はみなさん、ありがとうございました!
(取材・執筆 あかしゆか)