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2026.01.29

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TYO drive

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「知らないことを知りたい」「人と違うことを追求」「常にスタートラインに立つ」。TYO drive チーフプロデューサー・馬詰正、その哲学

TYOは、40年以上にわたり日本の広告映像制作をリードしてきた。テレビCMを中心に培われた「心を動かす映像」のエッセンスは、デジタル時代を迎えた今も脈々と受け継がれている。
そのエッセンスを受け継ぎながら、AIやXRといった新たな技術を活用して新しい形の広告体験を追求し、創り続けているTYO driveのチーフプロデューサー・馬詰正のあくなき挑戦の哲学に迫った。


馬詰正(うまづめ・ただし) TYO drive チーフプロデューサー。BEAUTY、AI、XR/AR、EVENT、HEALTHCAREを担当。主な受賞歴にNY Festival Advertising Awards /silver(PANTENE #PrideHair)、AMD Award 2023 /優秀賞(PARCO HAPPY HOLIDAYS)、AiXR CREATIVE AWARD 2025 /一次(DO the XR)、Los Angeles Independent Film Festival Award /Best Director(Dr.Bala)など。


インタビュー(前編) はこちら:
進化が加速するAI、XR──最先端から、映像と広告表現の新境地へ。TYO drive チーフプロデューサー・馬詰正の挑戦

「探しに行く」のではなく、「はじめまして」を楽しむ

──新しいことに飛び込み続ける原動力は何でしょうか。

知らないことを知りたい。知らない人と「はじめまして」で話すのが好き。それはプロデューサーとしてこうしないと差別化できないからという話ではなく、子供の頃からの私の気質です。
家と会社を往復するだけで、知り合いと連むだけの生活は正直あまり興味がない。うろうろしたり、新しい人と会って、「はじめまして」と話す方が、私にとって居心地がいいんです。

アンテナを張って面白いものを探しに行っているというより、様々な人たちと話す中で得られた新しいことに対しては先入観を持たず、自分の琴線に触れるかどうかを確かめる。

20代の若いアーティストとも、同じ目線で「はじめまして」から始める──そういう先入観のないところが、結果的に自分のキャリアを広げ、新しい領域に関わり続けることにつながっているのかもしれません。

「人と違う」ことを意識

──広告業界で長く活躍し続ける秘訣はありますか。

広告は競争の世界です。ディレクターもそうですが、プロデューサーはなおさら違いが分かりにくい。生き残りは簡単ではありません。私自身、人を見るときに一番興味をもつ要素は「人と違う」ところです。クリエイターに仕事を依頼したり、キャスティングするときも同様で、人と同じだと選ぶ理由が見つかりません。

仕事はそのプロデューサーの人間性についているというより、プロフェッションについている、と考えるなら「私に何ができるか」ということが大事になってきます。だから、自分ができることを増やしていく。これまでと少し違う領域に挑戦することで、できることが拡大していく。
全く違うことをやるわけではありません。少し変えてみる、少し拡大してみる、少しずらしてみる。そうやって色々なことができるようになっていった気がします。

必ずしも自分の青写真から全てが出発しているわけではなく、周りの人やお客さんとの関わりの中で、たまたま、確信がないまま取り組んでいることも多い。それでも結果としてやることが広がっていくので、それはそれでいいことだと思っています。

InterBEE 2025 IGNITION×DCEXPOにてアバターmiomioと登壇

ブランド広告の奥深さを知ったパンテーンでの経験

──ビューティー領域でのキャリアが、今の活動にどうつながっていますか。

ビューティーカテゴリーの映像制作は、私のベースです。たとえばP&Gのヘアケアブランド「パンテーン」のプロジェクトは、キャリアの中で大きな転換点になった仕事です。商品広告とブランド広告の両方を担当するようになり、そのタイミングから立ち上がったブランド広告に3年間、深く入って一緒に制作をしていました。

PANTENE 「#PrideHair」プロジェクト

PrideHairキャンペーンは、セレブではなく、一般の方をキャスティングしたキャンペーン。2018年から続く「#HairWeGo さあ、この髪でいこう。」キャンペーンの3年目として、2020年9月より展開しました。2人のトランスジェンダーの元就活生の体験談をもとに、自分らしさを表現できる就職活動について考える内容でした。

いろんな人を推薦していただき、事前インタビューを重ねる。CMを作る前の段階で、相当な時間が掛かっています。この広告の目的は何なのかを、クライアントに成り代わって説明する。マイノリティの人とどう向き合って生きているのかを問われる経験でした。

このブランド広告を担当することができたことで、ブランドを背負うコミュニケーションは、ソーシャルグッドに繋がり、世の中を変える力を持っている、あるいは、個人の背中を押す力を持っている、という広告の奥深さを確認することが出来ました。
ちなみに、このCMは世界中の広告祭で様々な賞をいただくことになりました。

ベテランと若者が同じスタートラインに立つ時代

──23年のキャリアを持つプロデューサーとして、若い世代との関わりをどう感じていますか。

今のテクノロジーの進化は、30年かけてプロフェッショナルになって、そこでキャリアが終わるというスピード感ではありません。来年どうなっているかも正確には分からない中で、様々な試行錯誤をしています。

AIにしてもXRにしても、私が「来年こうなりますよ」と答えられるわけではありません。1年単位で、みんな同じスタートラインに立っている。そういうところに、私はこれまでのキャリアで培ったスキルを生かして「応用問題」を解いていくという気持ちで参加している感覚があります。

基礎を応用して強みにしているのは確かですが、若い人はまっさらなところからスタートを切ることができる。スピードが速いからこそ、実は年齢はあまり関係ない。親子ほど年が離れていても、一緒にやっていける時代です。
ベテランでありながらフレキシビリティがある。一方で、TYOに脈々と流れているオーセンティシティを大切にしている。その両方持って進んでいきたいと思います。

先入観なく、自分のキャリアを広げていく。それが自分の強みになって、また新しいことに挑戦できる──その循環ですね。

TOKYO NODE XR HACHATHON にて参加者の皆さんと

人の心を動かすものを作り続ける。TYOのDNAを継承

──TYOが掲げる「We drive emotions.」について、どのように考えていますか。

We drive emotions.の前に、TYOには「Spirit of Tokyo」というタグラインがありました。私の解釈では「東京で一番」すなわち「日本一」という魂や志を込めた言葉だと考えています。

We drive emotions.を語る上で欠かせないのが、かつての社長である早川和良さんの存在です。早川さんはエモーショナルな広告を数多く作ったCMディレクターで、今のTYOの中核を担う世代の多くは、早川さんと一緒に仕事をした記憶があります。早川さんと一緒に仕事をしたことがあろうがなかろうが、TYOの人であれば誰もがそのエモーショナルな表現に心を動かされる。We drive emotions.というキーワードでエモーションとは何かを考えるとき、私は早川さんのことを思います。

早川さんが社長時代に“私たちの仕事の誇り”としてスローガンに掲げた、エモーショナルに「伝わる」を大事にする精神は、映像だけではなく、広告や表現全体に関わる考え方として現役世代に伝わっています。大事なのは、その精神を継承し、新たな形で作り直せること。AIでもXRでも、人の心を動かす「伝わる」ものを作り続ける。それがTYOのDNAだと思います。

※創立35周年となる2017年4月に、早川和良の原案にデザインを加えてコーポレートロゴを一新。TYOが手がける仕事は、アイデア・映像・コトバ・音楽などから生み出したクリエイティブの力で人を動かし、心を動かす仕事であると考え、”TYOの仕事は何であるか”、そして私たちの”仕事の誇り”を込めて、スローガンを「We drive emotions.」とした。

広告の未来──キャリアを応用し、新しい体験を創る

──今後の展望を教えてください。

広告は、もっと形を変えた体験になる可能性が高いと思っています。今までもデジタルにより多様化してきましたが、これから変化のスピードがもっと急激になるとしたら、テレビCMがこの先10年、今と同じ形で続くとは思えない。いろんな人と話していて、そういう感覚が強くあります。

私がこれまで「応用問題」としてやってきたことの集大成として、新しい形の広告体験を作りたいですね。パルコのHAPPY HOLIDAYSがAI広告の1つの形になったように、XRでもみんなが話題にするような仕事をしたいと考えています。

TYOは個性的な人がたくさんいて、私みたいにいろんなことをやっている人もいる。そういう人が活躍できる場所だと思っています。

広告の定義も変わってきていますし、表現の幅も格段に広くなっている。AIでもXRでも、まだ見ぬ新たな技術にも常に挑戦し続ける人間がTYOにいる。会社としてもそういう存在であり続けたいですね。

──新しい領域にチャレンジしたい人へのメッセージはありますか。

キャリアを積んできた人も、これから始める人も、実は同じフィールドでよーいどん、とスタートを切っている感覚があります。異次元のスピードで変化していく中で、みんな同じスタートラインに立っているのです。
先入観なく、新しいことに飛び込んでいってほしい。そして、できれば一緒に面白いことやりましょう。

※大阪・関西万博2025 にてDO the XRチームのメンバーと

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