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2026.01.27

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ステートメントムービーとは?経営課題を解決する新しい映像コミュニケーションの形

企業を取り巻く環境が複雑化する中、経営メッセージをステークホルダーに「伝える」だけでなく「伝わる」形で届けることが、企業価値向上の重要な鍵となっています。そんな中、注目を集めているのが「ステートメントムービー」という新しい映像コミュニケーションの手法です。

2025年11月26日、株式会社TYOと株式会社ブランドジャーナリズムの共催で実施したオンラインセミナー「投資家・社員・候補者へ『伝わる』ステークホルダーコミュニケーション差別化戦略」では、新たな映像活用の可能性について、具体的な事例と実践的なノウハウが共有されました。

参加者アンケートで高い満足度を記録した本セミナーのエッセンスをお伝えします。


詳細なセミナーレポートやセミナーの視聴については、下記をご覧ください。

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セミナー動画の視聴はこちら

ステートメントムービーとは何か

ステートメントムービーとは、企業の現状や社会課題を踏まえた未来の意思表明を映像化したものです。企業理念や存在意義、経営メッセージを可視化し、従業員・採用候補者・株主・投資家などのステークホルダーの共感と共鳴を生み出すことを目的としています。

一般的な尺は1分半から4分程度。この長さには理由があります。15秒や30秒のブランドムービーでは伝えきれない情報量とストーリー性を持ちながらも、視聴者の集中力が続く範囲に収めることで、深い共感を手繰り寄せることができるのです。

ステートメントムービー事業責任者として登壇したTYO事業開発本部の小川祐紀は、ステートメントムービーの特徴として「未来ビジョンの具体的なコミットメントやアクションまで踏み込んだ情報が含まれ、エモーショナルさとロジカルさの両側面を持つ」点を強調しました。

なぜ今、ステートメントムービーが必要なのか

経営課題の複雑化と「伝わらない」問題

登壇したブランドジャーナリズム代表の林亜季氏は、多くの企業トップインタビューを通じて見えてきた課題として「伝わらない問題」を指摘しました。経営者の想いと、実際に伝わっているメッセージにギャップが生じているケースが少なくありません。

人材定着の困難さ、エンゲージメントの低下、既存事業モデルの通用しない時代背景など、経営課題が複雑化する中で、理論的な説明だけでは従業員やステークホルダーの共感を得ることが難しくなっています。

例えば、ある企業の決算発表で、戦略的な赤字であるにもかかわらず「赤字」という2文字だけが加速度的に拡散し、本来伝えるべき改革の意図が埋もれてしまった事例もあります。このような「伝わらない」状況を打破するために、感情的・感覚的な要素を含めた、あらゆるステークホルダーに「伝わる」コミュニケーションが求められているのです。

IR・ステークホルダーコミュニケーションにおける映像活用の拡大

近年、決算説明会や株主総会における映像活用が急速に進み、新たなスタンダードになりつつあります。

「ステークホルダーコミュニケーションにおける映像活用が普及、浸透していない」(小川)という課題認識から、TYOは40年以上にわたり広告映像制作で培ってきたクリエイティブの力を、企業の経営コミュニケーションに活かす取り組みを強化しています。

実際、TYOへのお問い合わせの傾向として、コーポレート部門(経営企画、IR、広報など)からの相談が急増しており、「映像を活用したいが、何から始めればよいかわからない」という声が多く寄せられています。

「映像(ブランドムービー、ステートメントムービー)」と「動画(企業VP)」、そして各タイプの違い

セミナーでは、その多くの企業が混同しがちな映像・動画コンテンツの「種類」について、小川から明確な整理が示されました。

✔︎ 企業VP(Video Package、会社紹介動画)は、企業の事業、沿革、売上など事実情報を論理立てて説明するもの。主に認知・理解・納得という左脳的なプロセスにアプローチします。

✔︎ ブランドムービーは、15秒から60秒程度の短尺で、直感的に世界観や根本的価値を表現するもの。ビジュアルインパクトやBGMを重視し、主に初期好感や共感という右脳的なプロセスにアプローチしやすい特徴があります。

✔︎ ステートメントムービーは、両者の中間に位置しながら、それぞれの長所を併せ持ちます。1分半から4分程度という尺により情報量が増え、ストーリー性が生まれやすくなることで、理解促進から共感・共鳴まで幅広くカバーできます。

左脳と右脳、両面からのアプローチ

セミナーで特に注目を集めたのが、意思形成プロセスを左脳(論理的)と右脳(感情的)に分けたTYOの小川独自のフレームワークです。

左脳的なプロセスは、認知→理解→納得→比較検討→意欲醸成→アクションという、いわゆるマーケティングファネルに近い流れ。一方、右脳的なプロセスとして、初期好感→共感→共鳴という感情的な段階が並行して存在します。

ステートメントムービーの強みは、この両方のプロセスに同時にアプローチできる点にあります。論理的な情報提供により理解を促進しながら、ストーリー性やビジュアル表現により感情に訴えかけることで、より深い共感と共鳴を生み出すことができるのです。

林氏も「経営者の想いが従業員やステークホルダーに伝わるためには、理論的な話だけでは不十分で、感情的・感覚的な要素が非常に重要」と指摘し、両面からのアプローチの必要性を強調しました。

実例:いわきFCのステートメントムービー

セミナーでは、J2所属のいわきFCのステートメントムービーがTYOの事例として紹介されました。

TYOは2019年から6年以上にわたりいわきFCに伴走し、年に1本程度のペースで映像を制作し続けています。東日本大震災に根差して生まれたクラブの存在意義、地域への想い、そして未来へのビジョンが、一貫した軸を持ちながらも毎年異なるクリエイティブで表現されています。

映像は、地元いわき市および福島県のサッカーファン、地域社会全体をターゲットとし、クラブ公式SNSやスタジアムビジョンで活用されています。その結果、Jリーグ関係者からの高評価、SNSでの反響増加、選手への直接的な応援の声、映像がきっかけのスポンサーの増加など、具体的な成果につながっています。

「一回作って終わりではなく、毎年作り続けて、クリエイティブに工夫とバリエーションを持たせながらも、すべての映像に共通する軸がブレていない」点を小川は強調しました。この継続性こそが、ステークホルダーの心をつかみ続ける鍵となっています。

経営課題に応じた活用戦略

ステートメントムービーの活用シーンは多岐にわたります。セミナーでは、小川より主に4つの活用パターンが紹介されました。

1.IR領域では、決算説明会、株主総会、投資家向けコミュニケーションでの活用が進んでいます。数字やデータだけでは伝わらない企業の価値や未来ビジョンを可視化することで、投資家の理解と共感を深めることができます。

2.インターナル領域では、従業員向けビジョン浸透、パーパス浸透、組織変革での活用が効果的です。経営層が描く未来像を、従業員一人ひとりが自分ごととして捉えられるよう、本当に伝えるべき核心を見出し、それを感情に届く表現として設計することが重要になります。

3.採用領域では、採用ブランディング、候補者へのメッセージ発信、クロージング力強化に活用されています。特に採用市場の競争激化を背景に、優秀な人材を獲得するために映像を活用したいという相談が急増しています。

4.統合領域では、M&A後の統合(PMI)、カルチャー醸成に効果を発揮します。異なる企業文化を持つ組織を統合する際、共通のビジョンを映像で示すことで、一体感の醸成を促進できます。

制作プロセスと効果最大化の戦略

ステートメントムービーの制作は、一般的な動画制作とは異なり、企業のパーパスやビジョンを深く見つめ直す、あるいは定義し直すプロセスでもあります。

制作のロードマップは大きく4つのステップに分かれます。

①ステークホルダーコミュニケーションの戦略設計
②ミッション・ビジョン・バリューの再整理・再構築
③ステートメントの開発
④ステートメントムービーの制作と活用設計

小川は「作って終わりではなく、それをどういうタイミングで、どういうチャネルで活用するかという設計が、作る前段階から整理されている状態が必要」と強調しました。

また、映像単体ではなく、社内向けコミュニケーション、社外向けコミュニケーション、既存の施策との掛け算が重要です。マーケティング領域におけるIMC(統合型マーケティングコミュニケーション)と同様に、ステークホルダーコミュニケーションも統合的に設計する必要があります。

TYOとブランドジャーナリズムの協業がもたらす価値

協業により、TYOの映像プロデュース力とブランドジャーナリズムのジャーナリズム的手法が融合します。

林氏は「ジャーナリズムの大原則は、読者、つまり伝える先の人に徹底的に向き合うこと」と述べ、企業メッセージを社会と接続させる視点の重要性を指摘しました。徹底的な事前リサーチ、企業・業界・組織の深い理解、ニュースバリューという視点、カレンダージャーナリズム(社会的な記念日などとの連動)など、ジャーナリズムの知見が、より「伝わる」映像制作に貢献します。

特に、経営者の本音や本気を引き出す取材力は、表面的なメッセージではなく、本質的な価値を映像化する上で不可欠だと林氏は語りました。

効果測定と継続的な改善

映像の効果測定の難しさについて、参加者から質問が寄せられました。

小川は「広告映像と違い、ステートメントムービーの定量的な効果測定は確かに難しい」としながらも、従業員サーベイによるミッション・ビジョン・バリューへの理解度や共感度の経年変化、対外的なマーケティング用途でも活用することによる一定の定量データの取得、イベントやピッチなどのコミュニケーションシーンで視聴機会を拡張することで、デジタルだけでは捉えきれない反響も含めた、複合的な効果測定など、いくつかのアプローチを具体的に提示しました。

林氏は「離職率の低下、エンゲージメントの向上、新規事業の創出など、経営に対する本質的な跳ね返りを見るべき」と指摘し、短期的な指標だけでなく、経営課題の解決という長期的な視点での評価の重要性を強調しました。

経営の武器として、より本質的で「伝わる」コンテンツを

ステートメントムービーは、企業の経営メッセージを「伝える」から「伝わる」へと変革する新しい映像コミュニケーションの形です。論理と感情の両面からステークホルダーにアプローチすることで、深い共感と共鳴を生み出し、経営課題の解決に貢献します。

IR、採用、インナーコミュニケーション、組織変革など、多様な場面での活用が進む中、映像制作の専門性とジャーナリズムの知見を融合させることで、より本質的で「伝わる」コンテンツの創出が可能になります。

企業を取り巻く環境が複雑化し、ステークホルダーとのコミュニケーションがますます重要になる今、ステートメントムービーを経営の新たな武器に──。

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